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第四回東京自由律俳句会
日時: 2009/10/10 20:57
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

第四回『東京自由律俳句会』お知らせ

 本年五月に自由律界歴史上初めての試みである「第三回東京自由律俳句会」が、自由律を愛する多くの方の熱意によって開催されました。本会での春は句会、秋は勉強会を中心にとの提案により下記要領にて「第四回東京自由律俳句会」を開催致します。
 今回は『自由律の明日』とテーマを定め、「草原」そねだゆ氏、「自由律俳句会群妙」富永鳩山氏、「ぎんなん句会・ももの会」の内藤邦生氏、「海紅」中塚唯人氏による発言に対し(予定)参加者全員で話し合い、提言のための提言、会のための会でなく一つでも実現できることを徹底的に討論し実行に移したいと思います。
 今、自由律界に於いて何が行われているか、何がなされねばいけないか興味のある方はどなたでもご参加下さい。お待ちしております。

1,日 時  平成21年11月22日(日)
       午後1時より5時まで

2,会 場  江東区芭蕉記念館 1階会議室
       住所:〒135-0006 東京都江東区常盤1−6−3
       電話:03−3631−1448
   ■地下鉄
        都営新宿線・都営大江戸線 森下駅A1出口より徒歩7分
東京メトロ営団半蔵門線 清澄白河駅 清澄通り改札口下車A1出口より徒歩10分

3,参加費  1,000円(資料代含む)

4,出句料  1,000円―2句1組で未発表のもの
 ※出句のみの方は1.000円を郵便振替口座00170-6-38652 海紅社宛ご送金下さい。後日大会資料をお送りします。
 ※当日参加される方は合計2.000円(出句無しで参加だけの方は1.000円)を会場でお受け致します。

5,応募要領 官製葉書に下記要領でご記入下さい。(メールでも可。tadato8008@nifty.comアドレスへ)

※懇親会は会の終了後、引き続き同所で行います。(費用2.500円)
また、会の主催者・幹事・編集委員等の方はその旨をお書き下さい。後日、資料をお願い致します。

6,連絡先 〒154-0012 東京都世田谷区駒沢2−28−14
      「海紅社」中塚唯人宛
       電話:03-3422-6962

7,締切  平成21年10月24日(期限厳守でお願いします。)
  
            プロデュース:そねだゆ
メンテ

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第四回東京自由律俳句会 進行概要 ( No.1 )
日時: 2009/10/29 20:35
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

 『第四回東京自由律俳句会・勉強会』の主題及び進行方法等が、今回のプロデューサーのそねだゆ氏より発表がありました。これに基づき参加の御各位はご自分の考えを纏め、会では忌憚のないご意見をよろしくお願い致します。また当日、会にはご参加できない方でもご意見ご希望等が有りますれば投句の際に、メール・Fax或いは郵便で投句と同じく11月15日までに「海紅社 中塚唯人」宛お送り下さい。会で検討できるものは取り上げたいと思います。
以上宜しくお願い致します。

【第4回東京自由律俳句会 「自由律俳句の明日」】
そねだゆ
主題
1.この会が全国規模であるための名称決定
この会には東京だけでなく、全国から「自由律俳句の明日」に多くの会派から多くの人が参加することから、「東京」と冠するのはいかがなものかの意見があります。しかし前回の話し合いでありましたように、それぞれの会のあり方から、会の意味づけを名称に入れる結論に至ることは難しそうです。
そこで、この会の名称を、業界団体のように縛りのゆるいものとし、その会の中で、自由律俳句を取り巻くあるいは内在する議論について分科会などを設けて議論をし、それを公開する事で、自由律俳句の存在感を示して行くことが良いのではないかと考えます。
そこで名称案として、「自由律俳句協会」「日本自由律俳句協会」「全国自由律俳句協会」などとする事を提案します。

2.全国の自由律俳句をする人や他の詩型をされる方に対してのアピールとして、「俳句性」「自由律俳句の定義」「これからの自由律俳句」などのテーマで分科会をもち、その議や結論を外に発信する事で、自由律俳句の発展や注目度を増したいと考えます。

3.全員での句会とすると、充分句評について意見交換ができず、勉強にならないことを考え、参加者を6、7名単位に班別し、先に選句してもらった句を、点数を含めて分けて、班毎の選評をまとめていただく中で、選ばれた句や選ばれない句についての話が出ると思います。

各論
1.会の名称決定:上記私の提案をたたき台に、提案・論議・採決などしていただきます。

2.運営法:事前に出席予定者を6、7名位ずつに分けて、班毎に分けた句を吟味していただいて、選び直すなりしていただきます。最初の30分間に班毎に、上位句などから句評や自解をする。次に、その班の上位句3句を用意した模造紙の大きな短冊に、書いて前や横に張り出します。これを班毎に発表し、他の班からの句評やコメントを出してもらう。選ばれなかった句も自己申請および議長の判断で取り上げて、コメントします。

3.選句基準:各結社や会での選句基準あるいは、どういう視点で選句するのかという選句の考えを、会派ごとに発表者を指名してもらい、事前提出してもらって、まとめて事前に配布しておき、会ではその中で説明を求めて論点にする。(後日人選させていただきお願いします。)

4.会の意義:これは分科会のテーマと世話役を決めて、その発表は後日とする。
分科会を設け、分科会ごとにテーマを決めて、その分科会ごとの論議や決定の定義を発信する。
例:「俳句性とは」、「自由律俳句の範囲とは」、「自由律俳句の鑑賞はどこまでか」、「山頭火・放哉・顕信などの現代の評価」、「結社のあり方とは」、「若者の望む自由律俳句とは」、「文学としての自由律俳句とは」、「趣味としての自由律俳句とは」などなど
分科会での論議は手紙やメールや飲み屋で行うこと自由

5.意見・感想:皆さまからの会への意見や感想をいただいたものについて話し合う。
  ご参照:第三回のご意見より(敬称略)
○白松いちろう(群妙)
 上位句についてはコメントも自解もあるので句について理解はできるのだが、下位句についてはなぜそれが選ばれなかったのか判らないので、そういう時間もとってほしい。
○富永鳩山(群妙)
 東京自由律俳句会の名称をそろそろ考えておかないと、東京だけの、自由律俳句だけの句会だけの会が印象的になる恐れもあります。
○萱沼良行(ぎんなん)
    1.自由律俳句会を全国規模に広げるためにも、会の方向性を徐々に確定していくことが必要になる。年間2回の集まりの他に有志で集まり、ざっくばらんに話をした方がいいと思う。
2.句会では人数が多いので、選句結果表および特選句評は当日配布し、句会に入った方がいいのではないか。取り上げる句評は出席者の句を中心にした方が、盛り上がると考える。また、選句しなかった人の意見も聞くことも大事と思う。
3.懇親会はせっかく普段接することができない人たちと話すチャンスであり、もっと膝を交えてフェースツウフェースとなる外部の会場の方が、いろいろと話すことができ本音も聞くことができる。また、当番の人の労量も軽減できる。
○そねだゆ(草原)
全体会誌を発行する。HPに発表する。そのことで、外からの論議を受け入れる。分科会の論議や全体会での論議を発表する。

6.懇親会
先の班毎の席で始めて、後は好きな所へ回る。全体会での論議などを肴にする。     
以上
メンテ
Re: 第四回東京自由律俳句会 ( No.2 )
日時: 2010/03/19 16:46
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

第四回『東京自由律俳句会』のまとめ報告
そねだゆ

【 開催の趣旨 】
 21年5月に自由律界歴史上初めての試みである「第三回東京自由律俳句会」が、自由律を愛する多くの方の熱意によって開催されました。本会での春は句会、秋は勉強会を中心にとの提案により「第四回東京自由律俳句会」が勉強会として、『選句法』と初回よりのテーマである『自由律俳句の明日』をテーマと定め、そねだゆが議長を務めました。

1.選句法と句の得点についての勉強会
先会では、高得点句にばかり焦点が当てられ、その他の句についてなぜ点が集まらなかったのかの検討が疎かにされていたので、多くの人にとって勉強にならなかったという反省もあり、今回はその点を重視しました。

2.自由律俳句の明日
先回来あるいはその後今回の会に寄せられた「自由律俳句会群妙」富永鳩山氏、「ぎんなん句会・ももの会」の内藤邦生氏、「海紅」中塚唯人氏による意見に対し、「参加者全員で話し合い」、「提言のための提言」、「会のための会でなく一つでも実現できること」を徹底的に討論し実行に移したいと思いました。
 今、自由律俳句界に於いて何が行われているか、何をなさねばならないのかに焦点を当てて、よく話し合う会とすることにしました。

§1. 班別の選句と選句理由の発表 
 事前に参加者23名を3班に分けて、それぞれの机を囲んでいただきました。
事前に会には参加できなかった方を含めて、38名から2句ずつ合計76句が出ていて、これを通信で無記名選句いただいたものを、「句」、「点数」、「作者」、「選句者」、「全体点数」、「班別点数」の一覧表を参考にして、班毎に、講評するのにふさわしいと決めた3句を選んで模造紙を大きな短冊にしたものに、1句ずつ書き出して、皆さんの前で選句理由を説明してもらい、皆さんからの別の見方や意見を出していただきました。

1班 座長:そねだゆ 発表者:田中耕司(海紅)、吉川道子(海紅)、佐瀬広隆(ぎんなん)、荒木勉(群妙)、平岡久美子(ぎんなん)、増渕コク(海紅かみなり)、湯原幸三(海紅)
特に全体での高得点にも拘らず1班では点が取れなかった句、あるいはその逆の句について重点的に取り上げました。多くが選ぶと言うことが、本当に句として本当にいいのかという問題も田中氏から提議され、そねだも全く同感で、明日を考える今回の趣旨に沿った問題提起でした。

《選3句》
23・器用には生きられない三角定規  黒澤さち
三角定規で器用に生きられないというのは、それほどめずらしい発想ではないが、何故か惹かれるものがある。人のとんがっていると行き辛いというのですね。三角定規は即き過ぎの感があり、安易かも知れません。全体では17点、1班でも8人中6人が評価しています。

50・人の匂いがしない町を秋は素通り  小山智庸
前回は2句とも高得点であり、手練れの句を取り上げることは意義のあることと思いました。今回は全体では9点、1班では2点でした。嗅覚を切り口にした社会の現実を表現した句です。なぜ秋が素通りするのかが不明で、習慣的な語句の使い方が感じられるとの意見がありました。 

57・ゆびと指からませて小さな悪事に加担する  内藤邦生
全体では8点ですが、1班では4人が選び、ベテラン好みの句であると、その要領を心得た句作りの作者で、高打率バッターです。

2班 座長:小山智庸(海紅かみなり)、発表者吉多紀彦(ぎんなん)、小山君子(海紅かみなり)、棚橋麗未(白ゆり)、岩谷照子(海紅しらさぎ)、岩村操子(草原)、院瀬見美登里(海紅)、新山賢治(群妙)

《選3句》
12・後ろの正面 コスモス揺れただけ  棚橋麗未
全体で点です。2班で2人が選んでいます。難しいことがなく好きな句というので良いのではないか。

21・朝が冷えこのトレーナーの青冴える  院瀬見美登里
全体で3点、2班で1名が選んでいます。
冷えた朝の空気とトレーナーの青が清清しく、感覚の世界を一瞬のヒラメキで捉えた日頃目標としている句です。

30・寒い煩悩の出入りするドアを閉める  中塚唯人
全体で8点、2班で2名が選んでいます。
人は生きている限り煩悩はつきまといます。季はないが寒々とした心象は伝わる句。

3班 座長・発表者:中塚唯人(海紅)、萱沼美幸(ぎんなん)、黒澤さち(海紅かみなり)、黒瀬文子(白ゆり)、白松いちろう(群妙)、上塚功子(海紅しらさぎ)、堀美子(ぎんなん、急きょ欠席)

《選3句》
19・眼科の闇に女医は食虫花のごとく居て  荒木勉
全体では3点、3班では1名しか選んでいません。
ねっとり感が色濃く出ている。この句には人を捕らえる妖しさがある。面白い傾向と思う。

34・十三夜 シナリオはまだ未完成  黒澤さち
全体で2点、3班で1名が選んでいる。十三夜はほとんど満月なのにでも少し違う。人の人生は、死ぬまで常に未完成。未完成だから生きられるのかもしれない。まだは未完成と重複させる意味がないし、字空けの必要があるのだろうかと思う。

75・老木に洞 小さな命を抱いている  黒瀬文子
全体で3点、3班では誰も選んでいません。
オーソドックスな句作りで、いかにも自由律俳句という句。新鮮味が少ないので選ばれなかったのだと思います。

【全体での高得点句】
17点 23・器用には生きられない三角定規  黒澤さち
16点 40・袖口の静脈すけて吊革に秋が来ている  内藤邦生
11点 17・下記が柿色に染まり二人静かな暮らし  都丸ゆきお
10点 29・この想い出も捨てますか燃えるゴミ  湯原幸三

【低得点句の検証】
そねだが、全体での点が少ない句を一句ずつ取り上げ、皆さんにどうすればいい句になるのかを尋ねました。

§2.会の名称と会のあり方

A.会の名称を変えた方が良いと言う意見
イ.自由律俳句というといつまでも俳句の尻尾を引きずっているようで、アピール度を高めるために、「俳句」を取って「東京自由律会」としたい。
ロ.東京以外からの参加もあるので、東京を外した方がいい。
ハ.単にいろんな結社のメンバーが大勢で句会をするというのでは面白みが無いのでこのままだと参加者も先細りで、会が行詰るし、所属の会の理解を得るためや、自由律俳句の明日を考えると、結社が力を合わせて、発言力を高めて行かねば、衰退すると思うので、自由律俳句協会のようなものを作って、マスコミなどに取り上げやすくして、教科書などで取り上げられている自由律俳句の講習会やリーフを小中学生などへの自由律俳句の広報がやり易くなる。

B.会の名前を変えない方が良いと言う意見
イ.東京なら東京でこうした集まりを育てていって、それを統合するという形で、自然に「協会」になるのが良い。今は地道に句会を続けて行くので良い。
ロ.今の状況で「自由律俳句協会」などとすると皆に馬鹿にされる」
ハ.句を皆で作るだけでいいのではないのか。
(つづく)
メンテ
第四回東京自由律俳句会報告 上 ( No.3 )
日時: 2010/03/19 16:49
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

【議長まとめ見解】
参加者の年齢リストを見ると平均66歳、何と50歳以下は1名しかいませんでした。そこで最初に私が「今日のテーマは『自由律俳句の明日』ですから、50歳以上の方は発言を控えてください」と申し上げたのですが、結社のトップやベテランの声が大きく、明日を担う若手や日頃もの言わぬ方々からが発言する隙間ができませんでした。議論を深めようとかなり変更賛成意見を出してみたのですが、賛成する意見についても考えてみようという話し合いの姿勢がなく、まるで聴く耳を持たないといった感じでした。
これからの若い意欲を持っている人に、議長の私の力不足で申し訳ない気持ちです。

田中氏から、現代俳句協会から講師の依頼があるとの話しもあり、現在俳句協会の活動が中高生など対象に目立っています。現代俳句協会の青年部などの活動や、作品の独創性や積極的な自由な作風の追求をみると、このままですと、自由律俳句不要論も出そうな気がします。

会社でマーケティングをやり、組織開発のため、管理者教育や評価査定法の改善をしてきた自分から見ると、昔はそれなりの業績を上げてきた会社で、業績も落ち目になっていて、世間から忘れられ若い社員も入ってこず、それでも古手の重役の昔の意識が変わらず、若手が社風を変えようとしても抵抗勢力となってどうしようもなく、これまで通りやって地力を回復するのが先だと下からの意見を無視したり押さえつけている姿を見ているようです。売り家と唐風で書く三代目みたくなこの現状を見たら泉下の井泉水や一碧楼が何と感じるのでしょうかね。
もっと志を高く持って欲しいのです。
メンテ
第四回東京自由律俳句会報告 下 ( No.4 )
日時: 2010/03/19 16:52
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

【議長まとめ見解】
参加者の年齢リストを見ると平均66歳、何と50歳以下は1名しかいませんでした。そこで最初に私が「今日のテーマは『自由律俳句の明日』ですから、50歳以上の方は発言を控えてください」と申し上げたのですが、結社のトップやベテランの声が大きく、明日を担う若手や日頃もの言わぬ方々からが発言する隙間ができませんでした。議論を深めようとかなり変更賛成意見を出してみたのですが、賛成する意見についても考えてみようという話し合いの姿勢がなく、まるで聴く耳を持たないといった感じでした。
これからの若い意欲を持っている人に、議長の私の力不足で申し訳ない気持ちです。

田中氏から、現代俳句協会から講師の依頼があるとの話しもあり、現在俳句協会の活動が中高生など対象に目立っています。現代俳句協会の青年部などの活動や、作品の独創性や積極的な自由な作風の追求をみると、このままですと、自由律俳句不要論も出そうな気がします。

会社でマーケティングをやり、組織開発のため、管理者教育や評価査定法の改善をしてきた自分から見ると、昔はそれなりの業績を上げてきた会社で、業績も落ち目になっていて、世間から忘れられ若い社員も入ってこず、それでも古手の重役の昔の意識が変わらず、若手が社風を変えようとしても抵抗勢力となってどうしようもなく、これまで通りやって地力を回復するのが先だと下からの意見を無視したり押さえつけている姿を見ているようです。売り家と唐風で書く三代目みたくなこの現状を見たら泉下の井泉水や一碧楼が何と感じるのでしょうかね。
もっと志を高く持って欲しいのです。


「選句とは」

今回のテーマが「選句」についてであったので、それについて私見を申し上げておきたい。
よく「自分で良いと思ったものを選ぶ」のでいいと言う言い方をします。
このこと自体に問題はないのですが、ただ選ぶ根拠に基礎があるのかないのかを検討しなければ句が旨くなる筈はないと考えます。
井泉水の句は、100点はないけれど平均点以上の句を作ることができました。選句や添削が旨かったので、山頭火や放哉などの100点を採れる門弟が輩出したと考えていいと思っています。
井泉水の著書を見ると、芭蕉をよく研究していることが分かります。

貞門俳諧から江戸段林俳諧をへて蕉風に至った芭蕉の句は後世に残っていますが、俳諧は文学として残ったとは言えません。井泉水や一碧楼は子規の俳句の遊戯化形式化を懸念して、新傾向俳句から自由律俳句への道を拓いたと思います。
一碧楼は、碧梧桐の過度の添削を嫌い、型に嵌めるあるいは碧梧桐風に染めるのでは、作者の個性がなくなると考え、彼の添削を忌避したものと考えますが、さらにそれは彼自身が自由律俳句を革新するにあたり、碧梧桐のやり方が宗匠俳句的に見えたからと思います。

鉄鉢の中へも霰  山頭火

この句は、或る日ふっと彼の口からむぞうさに飛び出したような、無技巧ふうな句ぶりであるが、実は決して、むぞうさではなく推敲を重ねた末に出来たものだといふことが分かる。
初句は忘れたが、「霰、鉄鉢にも」では俳句としての力の弱いものである。「鉄鉢かがやく」なんか問題にもならない。               『山頭火を語る』荻原井泉水著

上記のようにこの句にいたるまでの山頭火と井泉水の手紙のやり取りを見ると、山頭火の天才をなしたことに井泉水の選句や添削がとても重要であったことが分ります。

守破離 世阿弥

絵でもそうですが、多くの芸術家が、基本のデッサンを徹底して、ものを見る目を養い、その上で師の作風を変えて自分らしさを追及します。その試行錯誤の果てに、師を超えた独自の芸術を見出すことができるということは、普遍的原則と思います。

井泉水は芭蕉に始まる俳句について研究し、自由律俳句とは何かを深く哲学することで、平均的作品を生み、多くの個性的作家を育てることができたと思います。

絵画でも文学でも、徹底的に良い作品を見続けて、観る目を養うことができます。鑑定眼を持った目利きには、青山二郎のような指導者が必要です。

鑑識眼を養ったものと表面からの感覚で見るだけのものとでは、どちらがいい指導者になれるかは明らかです。

私は幼少のころから絵と詩を学び、そのためにフランス系やイタリア系の外資に勤めさえしました。そして、ある程度の作品の質については、ものが言えるほどになっていると自負しています。ピカソやマチス、あるいはルノワールやセザンヌのいい作品はよくわかります。私のコレクションは、絵画では傍流にあたるシューレアリズムあるいは幻想絵画が中心ですが、一方では、アウトサイダーや新進の絵描きの卵を応援する仕事もしています。山頭火や放哉のように魂で句をつむぎだす作家で、新しい感覚の作家を見出して、自由律俳句の本質を次代にたすきを繋ぐのが私の願いです。

基礎を勉強した事で、作者名でなく、作品自体を観て良い悪いを明言することができるつもりです。これなくして、後進にアドバイスし、育成することはできないはずです。
単に良い悪いといった主観的感覚的意見ではなく、なぜいいのか悪いのかを具体的に言えないものに指導者の資格はないと私自身は自戒しています。基礎ができていれば単に良い悪いを言っても、その選句や意見の中には基礎を踏まえた根拠を持った鑑識眼が自然に入っているからです。
メンテ
第四回東京自由律俳句会記 ( No.5 )
日時: 2011/02/12 22:10
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

【第四回東京自由律俳句会記】 湯原 幸三

  平成二十一年十一月二十二日    於 江東区芭蕉記念館

 毎度お馴染みとなりました芭蕉記念館会議室に集まった参加者は二十二名。プロデューサーは、そねだゆ氏(草原)。前回までは出席者全員お互いの顔が見えるよう「ロ」 の字型に机を並べていましたが、今回は七〜八人ずつ三班に別れてグループ討議ができるよう配置した席に各人が着席して、会のスタートです。
 挨拶や句会の説明を済ませた後、まず、本会の名称について意見交換を行いました。まず、そねだ氏から「それぞれの結社の方針などは違っていても良いので、各団体の独自性を保ちながら、業界団体のように 「○○協会」のような名称の組織にすべきなのではないか」と提言があり、皆が意見を出し合いました。
 ここで簡単に、どのような意見が出されたかをご紹介します。

○そねだ氏の意見
・わかりやすい団体名のほうが結社性が低くなりオープンになる
・全国的な会にするため「東京」を取ったほうが良いのでは
・対外的な受け皿になる仕組みも作るべきだ

○対する意見
・物々しい名称は堅い印象がして新人が入りづらいと思う
・初めに器ありきで中身がないのでは恥ずかしい
・開催地が東京なのだから「東京」でよいのでは
 互いに反発しているようでありながらも、目指している所は同じらしく、皆さんの「熱さ」を感じられる議論でした。

 なお、東京自由律俳句会の発起人である中塚氏は「各地に東京自由律俳句会のような会ができて、それらが集まって全国的な団体ができれば理想的。まずは本会をしっかり固めて、先に進める事が大切。」とコメントされました。

 結果的には現状維持派が大多数で「東京自由律俳句会」の名は変更ありませんでしたが、今後、本会をどのように発展させて行くかが、関係者全員の課題であることを再認識できたと思います。

 休憩をはさみ、句会の時間。
 まずは班ごとに話し合った後、各班が「気になる句」を三句ずつ挙げ、さらにその句について全員で意見を交わすという方式です。
少人数ならではの深い議論ができますし、そのうえで多数の意見を聞くこともできるので、今回のシステムは大好評でした。次回以降もプロデュースする人の裁量で取り入れられることが予想されます。

 終了の時間も近づき「なぜ自分の句が選ばれないか気になる人もいるのでは」という田中耕司氏の発言で、点の少ない句を取り上げて各人の意見を聞くことに。その一句が取り上げられなかったのは句が悪いのか、あるいは選ばなかったほうが悪いのか…。こういう話も盛り上がりますし、勉強になります。

 最後に、次回のプロデュースを萱治良行氏(ぎんなん句会)に引き受けていただき、五月二十三日(第四日曜日)に開催されることが発表されて、無事に終了。

 その後、同会場にて懇親会。お酒が入って話も弾みます。ただし、油断をしてはいけません。いきなり句会が始まるのもお馴染みの流れ。真面目な批評もあり、笑いもあり。そうして第四回東京自由律俳句会の幕が閉じました。
メンテ
第四回『東京自由律俳句会』のまとめ報告 上 ( No.6 )
日時: 2011/02/12 22:14
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

第四回『東京自由律俳句会』のまとめ報告
そねだゆ

【 開催の趣旨 】
 21年5月に自由律界歴史上初めての試みである「第三回東京自由律俳句会」が、自由律を愛する多くの方の熱意によって開催されました。本会での春は句会、秋は勉強会を中心にとの提案により「第四回東京自由律俳句会」が勉強会として、『選句法』と初回よりのテーマである『自由律俳句の明日』をテーマと定め、そねだゆが議長を務めました。

1.選句法と句の得点についての勉強会
先会では、高得点句にばかり焦点が当てられ、その他の句についてなぜ点が集まらなかったのかの検討が疎かにされていたので、多くの人にとって勉強にならなかったという反省もあり、今回はその点を重視しました。

2.自由律俳句の明日
先回来あるいはその後今回の会に寄せられた「自由律俳句会群妙」富永鳩山氏、「ぎんなん句会・ももの会」の内藤邦生氏、「海紅」中塚唯人氏による意見に対し、「参加者全員で話し合い」、「提言のための提言」、「会のための会でなく一つでも実現できること」を徹底的に討論し実行に移したいと思いました。
 今、自由律俳句界に於いて何が行われているか、何をなさねばならないのかに焦点を当てて、よく話し合う会とすることにしました。

§1. 班別の選句と選句理由の発表 
 事前に参加者23名を3班に分けて、それぞれの机を囲んでいただきました。
事前に会には参加できなかった方を含めて、38名から2句ずつ合計76句が出ていて、これを通信で無記名選句いただいたものを、「句」、「点数」、「作者」、「選句者」、「全体点数」、「班別点数」の一覧表を参考にして、班毎に、講評するのにふさわしいと決めた3句を選んで模造紙を大きな短冊にしたものに、1句ずつ書き出して、皆さんの前で選句理由を説明してもらい、皆さんからの別の見方や意見を出していただきました。

1班 座長:そねだゆ 発表者:田中耕司(海紅)、吉川道子(海紅)、佐瀬広隆(ぎんなん)、荒木勉(群妙)、平岡久美子(ぎんなん)、増渕コク(海紅かみなり)、湯原幸三(海紅)
特に全体での高得点にも拘らず1班では点が取れなかった句、あるいはその逆の句について重点的に取り上げました。多くが選ぶと言うことが、本当に句として本当にいいのかという問題も田中氏から提議され、そねだも全く同感で、明日を考える今回の趣旨に沿った問題提起でした。

《選3句》
23・器用には生きられない三角定規  黒澤さち
三角定規で器用に生きられないというのは、それほどめずらしい発想ではないが、何故か惹かれるものがある。人のとんがっていると行き辛いというのですね。三角定規は即き過ぎの感があり、安易かも知れません。全体では17点、1班でも8人中6人が評価しています。

50・人の匂いがしない町を秋は素通り  小山智庸
前回は2句とも高得点であり、手練れの句を取り上げることは意義のあることと思いました。今回は全体では9点、1班では2点でした。嗅覚を切り口にした社会の現実を表現した句です。なぜ秋が素通りするのかが不明で、習慣的な語句の使い方が感じられるとの意見がありました。 

57・ゆびと指からませて小さな悪事に加担する  内藤邦生
全体では8点ですが、1班では4人が選び、ベテラン好みの句であると、その要領を心得た句作りの作者で、高打率バッターです。

2班 座長:小山智庸(海紅かみなり)、発表者吉多紀彦(ぎんなん)、小山君子(海紅かみなり)、棚橋麗未(白ゆり)、岩谷照子(海紅しらさぎ)、岩村操子(草原)、院瀬見美登里(海紅)、新山賢治(群妙)

《選3句》
12・後ろの正面 コスモス揺れただけ  棚橋麗未
全体で点です。2班で2人が選んでいます。難しいことがなく好きな句というので良いのではないか。

21・朝が冷えこのトレーナーの青冴える  院瀬見美登里
全体で3点、2班で1名が選んでいます。
冷えた朝の空気とトレーナーの青が清清しく、感覚の世界を一瞬のヒラメキで捉えた日頃目標としている句です。

30・寒い煩悩の出入りするドアを閉める  中塚唯人
全体で8点、2班で2名が選んでいます。
人は生きている限り煩悩はつきまといます。季はないが寒々とした心象は伝わる句。

3班 座長・発表者:中塚唯人(海紅)、萱沼美幸(ぎんなん)、黒澤さち(海紅かみなり)、黒瀬文子(白ゆり)、白松いちろう(群妙)、上塚功子(海紅しらさぎ)、堀美子(ぎんなん、急きょ欠席)

《選3句》
19・眼科の闇に女医は食虫花のごとく居て  荒木勉
全体では3点、3班では1名しか選んでいません。
ねっとり感が色濃く出ている。この句には人を捕らえる妖しさがある。面白い傾向と思う。

34・十三夜 シナリオはまだ未完成  黒澤さち
全体で2点、3班で1名が選んでいる。十三夜はほとんど満月なのにでも少し違う。人の人生は、死ぬまで常に未完成。未完成だから生きられるのかもしれない。まだは未完成と重複させる意味がないし、字空けの必要があるのだろうかと思う。

75・老木に洞 小さな命を抱いている  黒瀬文子
全体で3点、3班では誰も選んでいません。
オーソドックスな句作りで、いかにも自由律俳句という句。新鮮味が少ないので選ばれなかったのだと思います。

【全体での高得点句】
17点 23・器用には生きられない三角定規  黒澤さち
16点 40・袖口の静脈すけて吊革に秋が来ている  内藤邦生
11点 17・下記が柿色に染まり二人静かな暮らし  都丸ゆきお
10点 29・この想い出も捨てますか燃えるゴミ  湯原幸三

【低得点句の検証】
そねだが、全体での点が少ない句を一句ずつ取り上げ、皆さんにどうすればいい句になるのかを尋ねました。
(つづく)
メンテ
第四回『東京自由律俳句会』のまとめ報告 下 ( No.7 )
日時: 2011/02/12 22:16
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

§2.会の名称と会のあり方

A.会の名称を変えた方が良いと言う意見
イ.自由律俳句というといつまでも俳句の尻尾を引きずっているようで、アピール度を高めるために、「俳句」を取って「東京自由律会」としたい。
ロ.東京以外からの参加もあるので、東京を外した方がいい。
ハ.単にいろんな結社のメンバーが大勢で句会をするというのでは面白みが無いのでこのままだと参加者も先細りで、会が行詰るし、所属の会の理解を得るためや、自由律俳句の明日を考えると、結社が力を合わせて、発言力を高めて行かねば、衰退すると思うので、自由律俳句協会のようなものを作って、マスコミなどに取り上げやすくして、教科書などで取り上げられている自由律俳句の講習会やリーフを小中学生などへの自由律俳句の広報がやり易くなる。

B.会の名前を変えない方が良いと言う意見
イ.東京なら東京でこうした集まりを育てていって、それを統合するという形で、自然に「協会」になるのが良い。今は地道に句会を続けて行くので良い。
ロ.今の状況で「自由律俳句協会」などとすると皆に馬鹿にされる」
ハ.句を皆で作るだけでいいのではないのか。

【議長まとめ見解】
参加者の年齢リストを見ると平均66歳、何と50歳以下は1名しかいませんでした。そこで最初に私が「今日のテーマは『自由律俳句の明日』ですから、50歳以上の方は発言を控えてください」と申し上げたのですが、結社のトップやベテランの声が大きく、明日を担う若手や日頃もの言わぬ方々からが発言する隙間ができませんでした。議論を深めようとかなり変更賛成意見を出してみたのですが、賛成する意見についても考えてみようという話し合いの姿勢がなく、まるで聴く耳を持たないといった感じでした。
これからの若い意欲を持っている人に、議長の私の力不足で申し訳ない気持ちです。

田中氏から、現代俳句協会から講師の依頼があるとの話しもあり、現在俳句協会の活動が中高生など対象に目立っています。現代俳句協会の青年部などの活動や、作品の独創性や積極的な自由な作風の追求をみると、このままですと、自由律俳句不要論も出そうな気がします。

会社でマーケティングをやり、組織開発のため、管理者教育や評価査定法の改善をしてきた自分から見ると、昔はそれなりの業績を上げてきた会社で、業績も落ち目になっていて、世間から忘れられ若い社員も入ってこず、それでも古手の重役の昔の意識が変わらず、若手が社風を変えようとしても抵抗勢力となってどうしようもなく、これまで通りやって地力を回復するのが先だと下からの意見を無視したり押さえつけている姿を見ているようです。売り家と唐風で書く三代目みたくなこの現状を見たら泉下の井泉水や一碧楼が何と感じるのでしょうかね。
もっと志を高く持って欲しいのです。
メンテ
第四回東京自由律俳句会進行案 ( No.8 )
日時: 2011/02/12 22:22
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

 先ずは開会、簡単な出席者の紹介をし(30分)

1.今までどおりの2句投句、5句選句(60分)

−休憩−

2.当日、各会派の選句句評の方針考え方の発表とそれに対する討議(60分)

3.前回の皆さんの提案についての話し合い(60分)

 ●富永鳩山氏
  東京自由律俳句会の名称をそろそろ考えておかないと、東京だけの、自由律俳句だけの句
会だけの会が印象的になる恐れもあります。→自由律俳句協会
 ●菅沼良行氏
  イ.自由律俳句会を全国規模に広げるためにも、会の方向性を徐々に確定していくことが
必要になる。年間2回の集まりの他に有志で集まり、ざっくばらんに話をした方がいいと
思う。
  ロ.句会では人数が多いので、選句結果表および特選句評は当日配布し、句会に入った方
がいいのではないか。取り上げる句評は出席者の句を中心にした方が、盛り上がると考え
る。また、選句しなかった人の意見も聞くことも大事と思う。
  ハ.懇親会はせっかく普段接することができない人たちと話すチャンスであり、もっと膝
を交えてフェースツウフェースとなる外部の会場の方が、いろいろと話すことができ本音
も聞くことができる。また、当番の人の労量も軽減できる。
→ランダムに出席者を6名位に分け、その中で上位3−5句をその場で回して、上位句を
決める。そのことでいろんな人と話ができます。
 ●佐瀬広隆氏
  三回の会合を重ねたことになります。これからは、腰を落ち着けて、何をこの会はしよう 
としているのか、方向性を打ち出せない物でしょうか。いろいろ主張のありもの同志が集
まっていますので、方向を示すのは大変かもしれません。
しかし、これができないと会が霧散してゆくと思います。互いの結社に有益なような行事 
ができたらと思います。
  埋もれている各結社の俳人をこの会が発掘して世に知らしめることを行うとか、考えれば 
ありそうだと思います。
→全体の方向と言うのは意味がないかもしれません。むしろ文学としての自由律俳句とは
何かとか俳句性とは何かを分科会で意見をまとめて、それを外部に発信する会とするのが
いいと思います。
 4.次回の予定、ブロデューサーの決定

第4回東京自由律俳句会の企画案
そねだゆ

1.第4回における主題「自由律俳句の明日」
1)この会が全国規模であるための名称決定(あるいは決定のためタイムスケジュールの決定):例、“自由律協会”、“全国自由律俳句会”、”日本自由律協会“など
2)運営法:大勢だと句会としては、顔が見えないという欠点がある。
3)全国規模という意味を出したい。

2.各論
1)名称決定:
10月24日までに名称案と理由を出してもらい、それを列挙して再度配布し、11月22日に上位3位を提示して、その場で論議・採決など。
2)運営法:
事前に出席予定者を7名くらいずつに分けて、選句してもらっておく。最初の30分間に班毎に、上位句などから句評や自解をする。次に、その班の上位句3句を、全班を取りまとめ会全体でまとめて、発表し、他の班からの句評やコメントを出してもらう。選ばれなかった句も自己申請および議長の判断で取り上げて、コメントする。
3)選句基準:
各結社や会での選句基準あるいは、どういう視点で選句するのかと言う選句の考えを、事前に提出してもらって、まとめて事前に配布しておき、会ではその中で説明を求めて論点にする。
4)会の意義:これは分科会のテーマと世話役を決めて、その発表は後日とする。
 分科会を設け、分科会ごとに、テーマを決めて、その分科会ごとの論議や決定の定義を発信する。
  例:「俳句性とは」、「自由律俳句の範囲とは」、「自由律俳句の鑑賞はどこまでか」、「山頭火・放哉・顕信などの現代の評価」、「結社のあり方とは」、「若者の望む自由律俳句とは」、「文学としての自由律俳句とは」、「趣味としての自由律俳句とは」などなど
※分科会での論議は手紙やメールや飲み屋で行うこと自由
5)全体会誌を発行する。HPに発表する。そのことで、外からの論議を受け入れる。
分科会の論議や全体会での論議を発表する。

3.懇親会は、先の班ごととして、全体会での論議などを肴にする。
メンテ
第四回東京自由律俳句会 群妙より ( No.9 )
日時: 2011/02/12 22:32
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

第四回 東京自由律俳句会(平成二十一年十一月二十二日 於 江東区芭蕉記念館)
                                   そねだゆ
春は句会で秋は勉強会という提案があり、本会は、『選句法』と初回からのテーマである『自由律俳句の明日』を勉強する会として、そねだがプロデュースと議長を務めました。
一.選句法と句の得点についての勉強会
句会では高得点句にばかり焦点が当てられ、なぜ点が付かない句なのかを勉強するために、席を八人ずつのグループに分け、誰もが話せるようにしました。次に予め選句した表は配っておき、点に関係なく班毎に三句を合議で選んでいただき、なぜ選ぶのか選ばないのかを検討し、その後、全体でそれを発表してもらいました。さらに議長が、点が少なかった一句一句を取り上げて全体からの意見を求めました。この試みはよかったようです。
二.会の名称と会のあり方
A会の名称を変えた方が良いと言う意見
イ.自由律俳句というと俳句の尻尾を引きずっているようで、「俳句」を取りたい。
ロ.東京以外からの参加もあるので、東京を外した方がいい。
ハ.現俳の社会や若者への取り組みを見ると、協会的なまとまった窓口が欲しい。
B.会の名前を変えない方が良いと言う意見
イ.地区毎に本会のような集まりを育てていってから、それを統合するという形でよい。
ロ.今の状況で「自由律俳句協会」などとすると皆に馬鹿にされる。
ハ.この会は沢山が集まって句を作るだけでいいのではないのか。
【議長コメント】
『選句』について、「自分で良いと思ったものを選ぶのでいい」という言い方をします。しかし良い句を沢山鑑賞して掴んだ人と、まだ掴んでいない人の選句眼に差があることを意識しないと、いつまでたっても良い句ができるようになりません。
井泉水の著書を見ると、芭蕉や一茶をよく研究していることが分かります。
鉄鉢の中へも霰  山頭火
この句は、或る日ふっと彼の口からむぞうさに飛び出したような、無技巧ふうな句ぶりであるが、実は決してむぞうさではなく推敲を重ねた末に出来たのだといふことが分かる。
初句は忘れたが、「霰、鉄鉢にも」では俳句としての力の弱いものである。「鉄鉢かがやく」なんか問題にもならない。              『山頭火を語る』荻原井泉水著
この句にいたるまでの山頭火と井泉水の手紙のやり取りを見ますと、山頭火の天才をなしたことに井泉水の選句や添削がとても重要であったことが分ります。
 『明日の自由律俳句を考える』について、結社主宰者や年長者が発言するばかりで、肝腎の五十歳以下が一人しかいないので、皆さんが明日を考えているとはとても見えないのが残念でした。田中耕司氏に現代俳句協会から講師の依頼があったり、現代俳句協会の活動が中高生など対象に目立っています。若手や女性の現俳作品の積極的で自由な独創的な作風の追求をみますと、「自由律俳句不要論」も出そうな気がします。
メンテ

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