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第六回東京自由律俳句会
日時: 2010/09/19 21:13
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

第六回『東京自由律俳句会』お知らせ

 平成20年5月に自由律俳句歴史上はじめての「第一回東京自由律俳句会」が行われ、今回で6回目を数えます。これまで春は句会、秋は勉強会を中心として開催されましたが、今回は句会と共に「自由律俳句の先駆者への思い」と題し萩原井泉水と中塚一碧楼の二人を勉強をします。
 ◎萩原井泉水 「人物像、自由律俳句の考え方、作品の紹介」 ぎんなん
 ◎中塚一碧楼 「      〃            」 海紅社

つきましては、参加者の皆さまには事前に二人の句(各50句)を一覧にして送りますので、各自、井泉水と一碧楼それぞれから5句(うち特選1句ずつ)を選句して下さい。
締切 平成22年10月15日必着

1. 日時 平成22年11月23日(祝)午後12:30より17時まで
2. 会場 江東区芭蕉記念館 1階会議室
   東京都江東区常盤1−6−3 電話03−3631−1448
     都営新宿線・都営大江戸線森下駅A1出口より徒歩10分
     東京メトロ営団半蔵門線清澄白河駅 清澄通り改札口A1出口より徒歩10分
3. 参加費 1,000円(資料題含む出句のみも可です)
4. 出句料 1,000円(2句1組で未発表のもの)
 ※出句のみの方は1,000円を郵便振替口座00170−6−38652 海紅社 宛ご送金ください。後日選句はがき(井泉水・一碧楼句を含む)と選句結果をお送りします。
 ※当日参加される方は合計2,000円(出句なしで参加だけの方は、1,000円)を会場でお受けいたします。

 ※懇親会は会の終了後、引き続き同所で行います。(会費2,000円)

5.応募要領 官製葉書に下記をご記入下さい。
   (FAX・メールでも可。tadato8008@nifty.comアドレスへ)
  宛先 〒154−0012
       東京都世田谷区駒沢二−二八−一四
            海紅社 中塚唯人 行
裏面
     第六回東京自由律俳句会申し込み
   @氏名・年令 所属結社名(個人の方は不要)
    A〒 住所
     電話番号
   B投句二句
   C出席・投句のみ(どちらか○をお付け下さい)
     懇親会 出・欠席

6. 連絡先 〒154‐0012東京都世田谷区駒沢2−18−14 「海紅社」中塚唯人 宛

プロデュース 白松いちろう『群妙』
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第六回詠草集 ( No.1 )
日時: 2011/02/12 23:17
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

第六回東京自由律俳句会詠草集
一 緑樹の名前が降りてくる佐倉城址
二 来てとんぼう水に羽をとじる
三 名も知らぬ女とくる日もくる日もすれ違う朝と夜
四 編み直せない日々を編む
五 風も一緒に回り道
六 彼岸花を哀しみの色と感じた時 父母
七 猫の毛ふりはらって暮らしまちがっている
八 鳥がくる木鳥がこない木冬の支度始まった
九 蝶も蜂も萩のトンネル通りゃんせ
一〇 ひかり野へ蝶翔ぶ 蝶に乗りたかり
一一 赤くなる葉黄色い葉辛夷の葉っぱはごろんごろん
一二 人まねはしたくない晩年の生きかた
一三 神代から飛んできたの稲子磨殿(しょうりょうばった)
一四 真っ暗な道で金木犀にからまれている
一五 秋空にサム・クックの伸びやかな声
一六 秋の日「あたり前田の」とか言って日常のくだらなさ愛す
一七 周回遅れは鼻のつまったねこじゃらし
一八 七草かぞえ尾花の穂先スカイツリー
一九 細りゆく月両手につつむ
二〇 今年は大忙し土用以外も鰻
二一 幻聴か昼月と対話している
二二 敬老会私も人並みに年とる
二三 牛丼屋にも秋が来ています大盛り
二四 四拍子のドラマで始まる今朝の秋
二五 ちゃっかりと季語になったゲリラ豪雨
二六 護る者なき山いのちの転た寝はある
二七 やっと歩く老犬を待っている 秋空
二八 水面の名月を射して進む竿の詩
二九 湖に逆さ山影あッ鹿が横切る
三〇 三日月で懸垂する男の欲情
三一 マフラーでつなぎとめたいあなたの秋
三二 待つは言わない心で待つ
三三 また話をそこへもっていく 席を立つ
三四 ぼくの診断書へきみの手がさわると冬だ
三五 ぺんぺん草嫌われ嫌われ丈延ばし
三六 彼岸花のちょうちん持つ手姉は見えず
三七 はらわたの無いドレスが吊られ
三八 花火華やかな一瞬を切りとる
三九 花束は生き活けられる死亡現場
四〇 萩の花ゆらゆら無人駅は人待ち顔
四一 ハイボール飲んで帰ってレトロな思考
四二 熱中症何んの其の黄菊満開です
四三 にょきにょきと夏の素足まっすぐ
四四 夏が長居靴のない蟻は何でも拾う
四五 帰るならずっと枯葉に乗って雲のうえ
四六 泣いてみようか月がくずれて落るまで
四七 てんとう虫しばらく弾むわが家の食卓
四八 デパートに北海道展の垂幕下がり秋近づく
四九 吊されて烏賊風のやさしさを知る
五〇 疲れ果てた太陽で沈む
五一 つい口を出してしまう金木犀
五二 蝶がきて庭ゆらりと裏返す
五三 地球儀をひと廻り残暑の四畳半
五四 台風来るのか鉄塔のカラスもホーホケキョ
五五 酔芙蓉白い心赤く染まってあなた
五六 少女って獣の匂いの夏を残す
五七 驟雨が金木犀散らして逃げた
五八 じじいはだめ、テイッシュ配りもよけてゆく
五九 しきり葉を降らし銀杏の絶句
六〇 椎の実をあの世の人の笑顔と拾う
六一 さびしいぞ鶏頭どのみち暮れる
六二 定めにさからって生きたいと空蝉
六三 コンビニで買った夏の恋がとけちゃった
六四 心水澄ましに預けてあるんだ
六五 豪雨異常いきなりダダッと天の川へ
六六 けものみち疾走してくる青い嫉妬
六七 草ぶきの屋根柿は得意に秋をゲット
六八 空白を埋められますか いわし雲
六九 金木犀の香りにつつまれて帰る
七〇 桐の実を鳴らす神が居りますこの道
七一 北に痴呆の友いて蛇口ゆるくひねる
七二 消えた人 抱いただろう満月
七三 刈田の秋はゴイサギの楽園です
七四 風吹けば風に逆らう
七五 筧の音が彼岸すぎて澄むでるか
七六 お天道様が眩しい米大使の八月六日
七七 円高、野菜高、娘に貰った疎抜き大根
七八 産んでも人類滅ぶんでしょと孫夫婦
七九 打てば鳴るポコポコと住民台帳
八〇 ヴァイオリンはナゼ哀しく「ハ短調」になるの
八一 藷蔓引くと一族の平和な顔並んだ
八二 稲田刈り頃陽がたまって稲匂う
八三 遊んでという目がボールくわえている
八四 朝の胸突き八丁で自負が踏みとどまる
八五 秋空の虚と待つ時計の針ゆっくりの病室
八六 青い実五つ六つあの柿の木軒迄のびた
八七 愛に逢えなかった蝉、風に鳴くばかり
八八 「ツレテッテ」団栗が呟く
八九 大きな蝶あばれてあばれて蜘蛛の巣壊す
九〇 素敵だった  この世に咲いた花の期間は
九一 ユトリロの街角に百年の時が流れる
九二 旅立つ子ども部屋の家族写真
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第六回東京自由律俳句会報告 ( No.2 )
日時: 2011/02/12 23:22
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

 【第六回東京自由律俳句会報告】
 今月から二回に分けて、昨年十一月に開催された『第六回東京自由律俳句会』の報告を致します。
@会の報告                湯原 幸三
 なぜか好天に恵まれない本会らしく、と言って良いかどうかはさておき、平成二十二年十一月二十三日の東京は朝から雨が降ったり止んだり。そんな天気を物ともせず、江東区の芭蕉記念館で 「第六回東京自由律俳句会」が開催されました。当日の出席者は二十六名、事前に寄せられた投句は四十六名、ー人二句計九十二句。プロデューサーは白松いちろう氏 (自由律俳句クラブ『群妙』) です。(注、この会は毎回持ち回りで運営されます)

 今回は十二時半開始の予定でしたが、いつも通りの十三時からと勘違いしてしまい、遅れて来場する参加者も少なくなかったため、急遽予定を変更して十三時にスタート。まずは前回の座長・萱沼良行氏 (ぎんなん句会) による開会の辞、そのあと大井恒行氏 (文筆の森社) から自由律俳句の特集が組まれた『月刊俳句界十二月号』の紹介。そして今回のメインイベント、「自由律俳句の先駆者をたずねる」と題して、荻原井泉水と中塚一碧楼についての勉強会を行いました。自由律俳句の明日を拓くためにも先駆者の足跡をしっかり学ぼうという企画です。
 初めに佐瀬広隆氏(ぎんなん句会)の解説で井泉水の略歴、人物像や作品についてお話。続いて吉多紀彦氏 (ぎんなん句会)が中心となり、井泉水の俳句について皆で意見を出し合う時間になりました。なお、参加者へは事前に井泉水作品・一碧楼作品ともに五十句ずつが送られており、各人五句ずつ選句済みです。
 残念ながら、時間の関係上、盛り上がりはじめたところでタイムアウト。もう少し皆さんのご意見も聞きたかたのですがこの日のスケジュールでは無理でした。しかし、これで最後というわけではないので次の機会に期待しようということになりました。井泉水作品の高点句を七句紹介します。
  一位 力一ばいに泣く児と鶏との朝
  二位 綺麗な太陽がと云う妻よ朝をはたらく
   〃 粥すする真昼あかるき枕のくぼみ
  四位 青空に飛びたき風船をしかと持つ背なの子よ
   〃 爽竹桃が咲けば初めて妻と逢った日の事
   〃 空をあゆむ朗朗と月ひとり
   〃 自分の茶碗と箸があるところに戻り

 次は海紅社主唯人氏によるー碧楼の歴史や作品の解説。(内容については次号掲載)それから田中耕司氏の披講で、事前選句の結果を見ながら一碧楼の句についての話。高得点句はこちらでした。

  一位 山一つ山二つ三つ夏空
  二位 病めば蒲団のそと冬海の青きを覚え
  三位 草いきれ女人ゆたかなる乳房を持てり
  四位 二まい三まいにんげん青いすがれをたらし
  五位 橋をよろこんで渡ってしまう秋の日

 ここで休憩をはさみ、後半は句会。今回も東京自由律俳句会ではお馴染みとなった方式が採用され、まず三班に別れて各班三句ずつ選句し、そこで選ばれた九句を中心に、全員で意見を出し合いました。こちらも選句済みで点数の記載された、参加できなかった方の意見も反映した配布資料を元に進行しましたが、当日の選句基準は「良い句」だけでなく、なぜか気になる「問題の句」、未来を感じさせる「これからの句」等々。もちろん高点句や点数の低かった句についてまでも話し合い、感想や疑問、本人の弁などで盛り上がりました。ここでは高得点句を紹介します。

 少女って獣の匂いの夏を残す      黒瀬 文子(しらゆり句会)
 藷蔓引くと一族の平和な顔並んだ    藤澤 隆子(かも川吟社)
 真っ暗な道で金木犀にからまれでいる  田中 耕司(海紅社句会)
 細りゆく月両手につつむ        佐瀬 広隆(ぎんなん句会)
 編み直せない日々を編む        堀  美子(ぎんなん句会)
 彼岸花を哀しみの色と感じた時 父母  田中 耕司(海紅社句会)
 やっと歩く老犬を待っている 秋空   吉多 紀彦(ぎんなん句会)
 コンビニで買った夏の恋がとけちゃった 中塚 唯人(海紅社句会)
 旅立つ子とも部屋の家族写真      新山 賢治(群妙)
 地球儀をひと廻り残暑の四畳半     小山 智庸(かみなり社)
 北に痴呆の友いて蛇口ゆるくひねる   棚橋 麗未(しらゆり句会)

 句会の後、群妙の白松氏と新山賢治氏から新しく提唱されている「自由律句のひろば」について、昨年九月二十日に「発起人会」が開催されたことなどの報告がありました。今後の詳細は未定とのことですが、自由律の新しい動きは着々と進行しているようです。
 真面目な話の次は懇親会。同会場にて、お寿司やお酒をいただきながら、 熱い俳句談義が続きました。
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萩原井泉水句と中塚一碧楼句 ( No.3 )
日時: 2011/03/13 23:18
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

事前に「ぎんなん」から井泉水を50句、「海紅」から一碧楼を50句選んで、そのうちから各自いいと思うものを選句した。なお、特選句は2点とする。

荻原井泉水50句
15点 力いっぱいに泣く児と鶏の朝 (層雲系3名、その他8名)
12点 綺麗な太陽がと云う妻よ朝をはたらく (層雲系6名、その他6名)
12点 粥すする真昼あかるき枕のくぼみ (層雲系1名、その他8名)
11点 青空に飛びたき風船をしかと持つ背なの子よ (層雲系5名、その他4名)
11点 夾竹桃が咲けば初めて妻と逢った日の事 (層雲系4名、その他3名)
11点 空をあゆむ朗朗と月ひとり (層雲系5名、その他3名)
11点 自分の茶碗と箸があるところに戻り (層雲系2名、その他7名)
10点 すべてを焼いた人達に空が青いばかり (層雲系4名、その他5名)
10点 はっしと蚊を、おのれの血を打つ (層雲系1名、7名)

中塚一碧楼50句
24点 山一つ山二つ三つ夏空 (海紅系12名、層雲系6名)
18点 病めば蒲&#22289;のそと冬海の青きを覚え (海紅系5名、その他12名)
13点 草いきれ女人ゆたかなる乳房を持てり (海紅系3名、その他8名)
12点 二まい三まいにんげん青いすだれをたらし (海紅系3名、その他5名)
11点 橋をよろこんで渡ってしまふ秋の日 (海紅系8名、その他2名)

(注:いずれも10点句以上を掲載) 
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